【社労士試験】条文読解の必須知識!「及び」と「並びに」の使い分けルール

社労士(社会保険労務士)試験の学習で、法律のテキストを読んでいると「及び」と「並びに」という言葉が頻繁に登場します。どちらも「AとB」のように並列して語句をつなぐ言葉ですが、法律の世界では明確な使い分けのルールが存在します。
このルールを知らないと、複雑な条文の中で「何と何がセットになっているのか」を見失ってしまいます。前回の「又は・若しくは」のルールと合わせて、条文読解の必須知識としてマスターしておきましょう。
「及び」と「並びに」の基本的な使い分け
いずれも並列的に語句を連結する(AもBも、という意味)際に用いる接続詞ですが、語句の数やグループの構造によって使い方が決まっています。
- 2つの語句をつなぐ場合 シンプルに2つのものを並べる場合は、その中間に「及び」を用います。 (例:A 及び B)
- 3つ以上の語句をつなぐ場合 3つ以上のものを並べる場合は、読点(、)でつなぎ、最後の語句の前にだけ「及び」を用います。 (例:A、B 及び C)
【重要】グループ同士を連結する場合のルール
意味の上で結びつきが強い「小さなグループ」と、別の要素を「大きなグループ」として並列に連結する場合、2つの接続詞を組み合わせて使います。
- 小さな接続(小グループ): 「及び」 結びつきが強い語句同士を先につなぎます。
- 大きな接続(大グループ): 「並びに」 できた小グループに対して、別のグループを大きくつなぐ際に用います。
構造としては「【A 及び B】 並びに C」となります。「又は・若しくは」の選択ルールとは大小の関係が逆(並びにが大、及びが小)になるため、しっかりと区別して覚えましょう。
具体例で条文の構造を読み解いてみよう
実際の社労士試験の条文(国民年金法 第4条の3第1項)を例に、ルールを当てはめてみましょう。
〈実際の条文〉 政府は、少なくとも5年ごとに、保険料及び国庫負担の額 並びに この法律による給付に要する費用の額その他の国民年金事業の財政に係る収支についてその現況及び財政均衡期間における見通し(以下「財政の現況及び見通し」という。)を作成しなければならない。
この条文をルールに当てはめてグループ分けすると、以下のようになります。
- 【小グループ】 「保険料」と「国庫負担の額」は、どちらも収入に関する要素として結びつきが強いため、小さな接続詞である「及び」でつないでいます。 (保険料 and 国庫負担の額)
- 【大グループ】 上記の「収入」グループに対し、「この法律による給付に要する費用の額(支出)」という別のグループを大きくつなぐために、大きな接続詞である「並びに」が使われています。 (【小グループの収入要素】 and 【支出要素】)
「及び」が小さなグループを作り、「並びに」がそれらを大きくまとめる。この法則を意識するだけで、長くて複雑な条文が何を意図して書かれているのかが正確に捉えられるようになります。日々のテキスト学習で接続詞に注目する癖をつけていきましょう。
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