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ITパスポート試験に必要な勉強時間|初心者や社会人が合格するまでにかかる期間は?

ITの登竜門的な試験である「ITパスポート試験」。国家試験のため難しそうなイメージもあるかもしれませんが、社会人が勉強しながら合格を目指すことも可能です。 今回は、ITパスポートの合格に要する勉強時間について解説。試験の概要や具体的な出題範囲のほか、情報系・IT系経験者/初心者それぞれにおすすめの勉強時間の配分パターンもご紹介します。

ITパスポートとは

ITパスポートは、13種類ある「情報処理技術者試験」において、入門的な位置づけの試験です。 CBT(Computer Based Testing)方式で、難易度も比較的低いため、しっかり勉強すれば独学でも合格を目指すことが可能です。

ITパスポートは年間を通じて実施されており、受験しやすい試験であることも大きな特徴です。

詳しい難易度については以下をご覧ください。

ITパスポート取得の必要性

近年、企業におけるDX化が進み、ITの知見を持つ人材の確保が課題となっています。

ITパスポート試験の合格は、自らのITの知見を証明することにつながるため、就職・転職やキャリアアップに有利に働くと考えられます。実際に、新卒採用に際してITパスポート取得を推奨する企業も増えています。

また、ITパスポートの勉強で得た知識は、仕事だけでなくプライベートでも活かすことができます。

そのため、ITパスポートは以下のような人におすすめです。

● IT業界を目指す学生や社会人
● ITスキルを活かしてキャリアアップしたい方
● 仕事でITを活用したい方
● エンジニアとして幅広い知識を習得したい方
● 趣味や自己啓発の一環で、ITについて学びたい方
● 将来のために基礎的なIT知識を身につけたい方

ITパスポート試験の概要

ITパスポート試験の概要は、以下の通りです。

■ITパスポート試験の概要

I試験実施日全都道府県で随時実施
申込受付期間試験前日・正午前まで(クレジットカード、バウチャーの場合)
受験資格なし(誰でも受験可能)
出題分野・範囲ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系
出題数100問
試験合格ライン総合評価点:600点以上/1,000点かつ、分野別評価点:300点以上/1,000点
試験時間120分
出題方式CBT方式・四肢択一式
試験会場全国の試験会場で開催
受験費用7,500円(税込)
支払い方法クレジットカード/コンビニ払い/バウチャー より選択

ITパスポート試験の出題分野・範囲

ITパスポートの出題分野は「ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系」の3つです。各分野の概要・出題数は以下の通りとなります。

出題分野概要出題数
ストラテジ系経営全般に関する知識が問われます。財務・法務・経営戦略の特徴や基本的な考え方などが出題範囲です。35問程度
マネジメント系情報システムの開発、運用、保守に関わる知識が問われます。20問程度
テクノロジ系ITに関する技術的な知識(ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなど)が問われます。45問程度
参照:https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html

ストラテジ系

ストラテジ系では、経営に関する知識が問われます。財務・法務・経営戦略の特徴や基本的な考え方などが出題範囲です。出題全体(100問)のうち35問程度を占めます。

ストラテジ系の出題範囲は以下の3つです。

● 企業と法務(企業活動、法務)
● 経営戦略(経営戦略マネジメント、技術戦略マネジメント、ビジネスインダストリ)
● システム戦略(システム戦略、システム企画)

ストラテジ系では法務やマーケティングについての出題も少なくありませんので、これらに関連する用語もきちんと理解しておいてください。

マネジメント系

マネジメント系では、情報システムの開発、運用、保守に関わる知識が問われます。出題全体(100問)のうち20問程度を占めます。

マネジメント系の出題範囲は以下の3つです。

● 開発技術(システム開発技術、ソフトウェア開発管理技術)
● プロジェクトマネジメント(プロジェクトマネジメント)
● サービスマネジメント(サービスマネジメント、システム監査)

マネジメント系はITパスポートの出題分野の中で、最も出題数が少ないです。つまり他分野と比較して1問あたりの配点が高く、落とせる問題数も少なくなりますので、油断せず確実に得点することを心がけてください。

テクノロジ系

テクノロジ系では、ITに関する技術的な知識(ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなど)が問われます。出題全体(100問)のうち45問程度を占めます。

テクノロジ系の出題範囲は以下の3つです。

● 基礎理論(基礎理論、アルゴリズムとプログラミング)
● コンピュータシステム(コンピュータ構成要素、システム構成要素、ソフトウェア、ハードウェア)
● 技術要素(情報デザイン、情報メディア、データベース、ネットワーク、セキュリティ)

テクノロジ系はITの専門的な内容が問われるため、未経験の方には特に難しく感じられるかもしれません。暗記だけでは対応できない問題もあるため、 概念や計算方法をじっくりと理解するようにしましょう。

ITパスポートの合格に必要な勉強時間

ITパスポート試験の合格ラインは、総合評価点「1000点中600点以上」です。ただし、3分野それぞれで「1000点中300点以上」を得点しないと、総合評価点が600点以上でも不合格となります。このため各分野で一定以上の点数が取れるように勉強する必要があります。

なおITパスポートの直近(2023年)の合格率は約50%です。主に基本的な知識が問われる試験なので、しっかり勉強すれば十分に合格が目指せます。

ITパスポートに向けた基本的な勉強方法としては、独学(参考書・過去問)や通信講座などがあります。ITパスポートの勉強にかかる時間は、現時点でIT知識がどの程度インプットされているかによっても異なります。

ここからは、経験・知識を積んでいる方の場合(情報系の学校出身者・IT系の実務経験者の場合)と、IT知識がない初心者の場合ごとに、必要な勉強時間について確認します。

情報系の学校出身者・IT系の実務経験者の場合

情報系の学校出身者・IT系の実務経験者は、すでにIT知識のインプットがあるため、全くの初心者よりも必要な勉強時間は少ないです。

具体的な勉強時間の目安は「120時間」となります。

例えば、社会人が働きながら勉強する場合にかかる期間は、以下の通りです。

● 1日1時間勉強する場合:120日
● 1日2時間勉強する場合:60日

IT知識がない初心者の場合

IT知識がない初心者の場合、情報系の学校出身者・IT系の実務経験者などよりも、必要な勉強時間が長くなります。

具体的な勉強時間の目安は「180時間」です。

例えば、初心者が勉強する場合にかかる期間は、以下の通りです。

● 1日1時間勉強する場合:180日
● 1日2時間勉強する場合:90日

ITパスポート合格に向けた勉強の時間配分

ITパスポートの試験は3分野に分かれ、総合評価点だけでなく、各分野で一定以上の得点が必要なことはすでにご紹介しました。そのため、勉強の際は 「1分野に偏らない理解」を目指すことが重要です。

また、ITパスポートに限った話ではありませんが、試験勉強は「インプット/アウトプットのバランス」が重要です。

具体的に、インプット/アウトプットの割合は「3:7」が黄金比であると言われています。つまり、効率的な勉強には「アウトプット中心型」が適しているのです。

ここからは、情報系・IT系の実務経験者とIT知識がない初心者ごとに、おすすめの勉強時間の配分パターンをご紹介します。

情報系・IT系経験者におすすめの勉強時間の配分パターン

情報系・IT系経験者が毎日1時間・トータル100時間勉強する場合におすすめの勉強時間の配分パターンは、以下の通りです。

【勉強時間の配分パターン】
● テキストを読み、知識を覚える(インプット):20時間
● 過去問を解いて間違いを復習する(アウトプット):70時間
● 予想問題や過去問で間違えた問題を再復習(インプット):5時間)
● テスト直前にテキストを再度読み込む(インプット):5時間

上記はインプット/アウトプットの割合が「3:7」になるよう時間配分した例です。トータルの勉強時間は4ヶ月前後となります。なお、勉強の進み具合や理解には個人差があるため、必要に応じて配分を調整しましょう。

IT知識がない初心者におすすめの勉強時間の配分パターン

IT知識がない初心者が毎日1時間・トータル180時間勉強する場合におすすめの勉強時間の配分パターンは、以下の通りです。

【勉強時間の配分パターン】
● テキストを読み、知識を覚える(インプット):40時間
● 過去問を解いて間違いを復習する(アウトプット):126時間
● 予想問題や過去問で間違えた問題を再復習(インプット):7時間
● テスト直前にテキストを再度読み込む(インプット):5時間)

上記はインプット/アウトプットの割合が「3:7」になるよう時間配分した例です。トータルの勉強時間は6ヶ月前後となります。初心者はインプットにより時間がかかる可能性もあるため、個々の進行具合に合わせて時間を調整してください。

効率的な勉強方法については以下をご覧ください。

ITパスポート取得の必要性

近年、企業におけるDX化が進み、ITの知見を持つ人材の確保が課題となっています。

ITパスポート試験の合格は、自らのITの知見を証明することにつながるため、就職・転職やキャリアアップに有利に働くと考えられます。実際に、新卒採用に際してITパスポート取得を推奨する企業も増えています。

また、ITパスポートの勉強で得た知識は、仕事だけでなくプライベートでも活かすことができます。

そのため、ITパスポートは以下のような人におすすめです。

● IT業界を目指す学生や社会人
● ITスキルを活かしてキャリアアップしたい方
● 仕事でITを活用したい方
● エンジニアとして幅広い知識を習得したい方
● 趣味や自己啓発の一環で、ITについて学びたい方
● 将来のために基礎的なIT知識を身につけたい方

まとめ

ITパスポート試験は、情報系の学校出身者やIT系の実務経験者は「約120時間」、IT知識がない初心者は「約180時間」の勉強時間が必要とされています。勉強方法は、テキストで知識を覚えるインプットと、過去問などを解くアウトプットのバランスが重要です。具体的には、積極的なアウトプットを意識しましょう。
ITパスポートは、IT業界への就職、キャリアアップ、日常生活での活用など、様々な場面で役立つ国家資格です。独学でも比較的合格しやすいので、ぜひチャレンジしてみてください。


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