【スタートガイド】TOEIC® L&Rテスト Basicコース
はじめに この講座はLevel(レベル)とPart(パート)で構成されています。まず自分の英語学習度合いに応じたLevel(レベル)を知り強…
英語の能力を測るTOEICを受験する場合、まず600点を目指すという方は多いです。しかし、600点を取るにはどれくらい勉強すればいいかイメージが湧かない人もいるのではないでしょうか。
この記事では、TOEIC600点に必要な勉強時間や600点のレベル感、勉強方法や試験内容を解説します。おすすめの参考書も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
TOEICで600点を取りたいと思ったとき、どれくらい勉強が必要なのでしょうか。答えは、今のあなたのTOEICのレベルによって変わってきます。
一般的に、TOEICのスコアを100点上げるためには、200〜300時間の勉強が必要とされています。例えば、現時点であなたがTOEICで400点が取れるレベルにいるとすれば、400〜600時間の勉強により600点が取れるようになるということです。
1日に勉強できる時間が決まっている場合や、いつまでに600点を取得したいという期限が決まっている場合などあるでしょう。1日2時間勉強できるとしたら、400時間勉強するには、200日かかります。6〜7ヶ月毎日勉強すれば、600点を達成できる可能性が高いと言えます。
また、3ヶ月後に600点を取るという目標があるとしたら、1日に必要な勉強時間を逆算し、1日に最低でも4時間半は勉強しなければならない計画になります。
自分が今の時点で600点までどれくらいの時間がかかりそうかを計算し、現実的なスケジュールを立てて勉強していきましょう。
TOEICの600点はどんなレベルなのでしょうか。
一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(ETS)が公開している2022年度の受験者数と平均スコアの資料によると、受験者の平均スコアが2022年が620点、2021年が611点、2022年が608点でした。つまり、600点はおよそ受験者の平均スコアです。
600点のレベルとは、英検2級程度に相当します。仕事で英語を使ってコミュニケーションが取れるけれど、専門的な内容になると不安があるというレベル感です。
受験者の平均スコアを見ると、学生の平均は全体の平均スコアより低く500点台なので、高校や大学在学中に600点をとっていると優秀と言えるでしょう。
また、一般的にTOEICの結果は600点以上だと企業の採用応募時に履歴書に書いてアピールできるとされています。
同じ時間をかけて勉強をしたとしても、勉強方法によって成果が変わります。ここでは、TOEICで600点を取るために効果的な勉強方法を紹介します。
語彙力は、文章問題にもリスニング問題にも必要です。そのため、単語を覚えることはTOEICの点数を上げることにつながります。
一度に大量の単語を覚えようと思っても記憶に定着しづらいです。毎日少しずつ単語と意味を覚える習慣を作るのが、語彙力を強化するコツです。例えば、「1日に5単語覚える」とルールを決めて、前日覚えた単語の復習と新しい単語5つの意味と読み、例文を学ぶなど一連の流れを習慣化しましょう。
TOEICに使える単語帳や英単語アプリなどを使い、移動中に語彙の強化をするのもおすすめです。
TOEICで600点を取るには、中学英語レベルの文法の知識が必要です。
中学英語レベルなら勉強は必要ないと考える方もいるかもしれませんが、基礎の文法を見直すことは非常に重要です。基礎力がなければ、応用問題を解くことはできません。
勉強をする際にはまず、中学までに習った英語文法をしっかりと押さえておきましょう。中学3年間の文法をまとめた教材などを活用するのがおすすめです。
TOEICの試験は7つのパートに分かれており、1〜4はリスニング問題です。そのため、TOEICの点数を上げるにはリスニング力の強化が不可欠です。一般的に、リーディングよりもリスニングの方が点数を取りやすいと言われています。
リスニング力を強化するには、以下の2つの方法がおすすめです。
ディクテーションは、英語の音声を流し、聞こえてくるすべての言葉を書き起こすというものです。聞き取りができなかった部分は改めて確認し、耳を慣らしていきます。
シャドーイングは英語の音声を聞きながら、聞こえてくる言葉を真似して話すという方法です。シャドーイングはリスニング力だけではなく、スピーキングの訓練にもなります。
どちらも繰り返し行うことによって、耳が英語に慣れてリスニングができるようになってくるでしょう。
問題を解く能力があっても、試験時間内に問題を解けなければスコアにつながりません。そのため、時間に余裕を持って問題を解くための速読トレーニングが役立ちます。
TOEICはリーディング問題の時間が75分ほどあり、その中で100問の問題を解きます。全問解答するには1問1問をスピーディーに解いていく必要があります。
速読のトレーニングは、とにかく英文を読む量を増やすことです。ぜひ、長文を時間を計りながら読んでみてください。TOEICの過去問題の英文など、一定量の英語の文章を毎日読み、英語を読む思考回路を強化しましょう。
また、語彙力が増えると英文の意味の理解がしやすくなり、読むスピードも上がります。前述した語彙の強化は速読にもつながるため、力を入れて行ってください。
本番のTOEICのテストを想定した実践演習も、TOEICで600点を取るために有効です。
TOEICは試験時間が長く、大量の問題を解くために、この形式に慣れていないと十分な語彙力や文法の知識があっても試験に対応できない可能性が高いです。そのため、繰り返し実践演習をして、TOEICの試験に慣れておきましょう。
公式問題集が発売されているため、それを活用するのがおすすめです。実際の試験に近い問題を解いてみれば、自分が今どのレベルにいてどれくらい目標との距離があるのかも把握できるでしょう。
TOEICで600点を取るには、時間配分も重要です。大量の問題がある中で、一部にだけ時間をかけていると、最後まで問題を解ききれない可能性があります。
時間を決めて取り組み、時間内に解けなかった場合は先に進み、時間が余れば解けなかった部分に再度取り組むなどの工夫が必要でしょう。
また、普段から時間を意識して実践演習に取り組んでおくと、本番で時間内に全問を解く力が身につきます。
TOEICは7つのパートに分かれています。それぞれにどの程度の時間をかけるべきか、目安をまとめたので参考にしてください。
パート | 時間配分の目安 |
Part 1 | 3分程度 |
Part 2 | 9分程度 |
Part 3 | 17分程度 |
Part 4 | 16分程度 |
Part 5 | 10分程度 |
Part 6 | 10分程度 |
Part 7 | 55分程度 |
それぞれのパートの対策ポイントを、リスニングとリーディングに分けて解説します。
TOEICではPart 1〜4がリスニングの試験となっています。リーディングより高得点を狙いやすいと言われているため、600点を目指す場合はリスニングでしっかりと得点を取っていくことが大事です。
それぞれのパートでどのような問題が出るのかや対策ポイントを解説します。
TOEICのPart 1では、写真描写の問題が出題されます。
1枚の写真が掲示され、英語の音声で写真について問題が出題されるというものです。写っているものが人であれば、その人が何をしているかや、何を着ているか、どんな人かなど人の状況を尋ねられる可能性が高いです。
音声の内容をある程度予想できると、英語音声が聞き取りやすくなるでしょう。問題が流れる前に、「この写真はどんな場面か」という写真の内容を把握することがポイントです。
TOEICのPart 2では、応答問題が出題されます。
英語の音声で尋ねられた内容について、用意されている選択肢から回答を選びます。流れる音声以外に要素がなく、聞き取れるかが肝になるため、事前に実践演習を積み重ねるしかありません。
TOEICのPart 3では、会話問題が出題されます。
2〜3人が英語で会話する音声が流れ、その後に会話に関して問題が出題されるというものです。設問は問題用紙に印刷されているため、先に問題を確認してから会話を聞くのがポイントです。
図や表が提示されていることもあります。サッと確認して、掲示された情報が音声で流れた時に反応できるようにしておきましょう。
TOEICのPart 4では、説明文の問題が出題されます。
英語音声で説明文が流れ、説明文に関して問題が出題されるというものです。はっきりと説明文の中に答えが示されているのではなく、「説明から〜と推測できる」という感じで正解を導き出さなくてはならない場合もあります。
回答は4択の選択肢から選ぶようになっています。しっかりと内容を理解していないと正しい答えを選べないため、音声が流れる前に設問を確認し、何がポイントとなるのか把握しておくことが大事です。
TOEICではPart 5〜7がリーディングの試験となっています。リーディングは自分で時間を管理しなくてはなりません。文章をゆっくり読みすぎて、気づくと問題を解く時間が残っていなかったという自体になりかねません。事前の対策と演習の実践によって、時間内に問題を解く力を身につけておきましょう。
それぞれのパートでどのような問題が出るのかや対策ポイントを解説します。
TOEICのPart 5では、短文の穴埋め問題が出題されます。
英文の中に空白があり、そこに入る最も適切な言葉を選択肢から選ぶというものです。
普段の勉強でこの形式の問題を解く際に、なぜこの解答になるのかという根拠も含めて考えておくと、文法や慣用句への理解が深まったり、知識が定着したりします。
実際の試験においてここは時間をかけて考えれば解ける問題ではありませんから、分からない場合はすぐに次の問題に移り、長文の読解が必要なPart 7に時間を使えるようにしましょう。
TOEICのPart 6では、長文の穴埋め問題が出題されます。
Part 5では短文の中に1つの空白があったのに対し、Part 6では長文に4つの空白があります。それぞれの空白に入る適切な言葉を選択肢から選ぶというものです。
長文の場合は、前後の文脈から答えを導き出せるようになっていることがあります。そのため、文章全体を読み、流れを把握することがポイントです。
TOEICのPart 7では、読解問題が出題されます。
長文を読解し、設問に対して選択肢から正しいものを選びます。英文の中に分からない部分があったとしても、設問に関係がない部分であれば問題はありません。そのため、まず設問を読んでから長文を読み始めるのがポイントとなります。
いかに速く、正確に英文を読めるかが重要です。普段から、時間を意識して英文を読むようにしてみてください。また、試験自体に慣れていないと脳がかなり疲れた状態でPart 7を解くことになるため、実演を繰り返して試験の形式に慣れておくことも必要です。
TOEICで600点を取るには、適した方法で必要な時間勉強することが近道です。ここからは TOEICで600点を目指す人におすすめの参考書を紹介します。
「公式TOEIC Listening & Reading 問題集 10」はETSが出しているTOEIC公式の問題集です。
難易度や問題の構成、リスニングのナレーターが実際の試験と同じであるため、TOEICの試験に慣れるのに最適です。特にナレーターの声に耳を慣らしておくと、本番の試験で落ち着いてリスニングができるでしょう。実際に試験と同じ形式で問題を解き、答え合わせをすることでスコアの目安がわかります。そのため、この問題集を使えば、現時点で600点が取れそうか、どれくらい足りないのかなど把握できるしょう。
1年に1冊のペースで新しい公式TOEIC問題集が発売されています。試験勉強を始める時点で最新のものを購入することをお勧めします。
「はじめて受けるTOEIC(R) L&Rテスト全パート完全攻略」は、TOEICで点数を取るために必要な要素を詰め込んだ参考書です。
全てのパートに対する解法テクニックやスコアアップのコツ、勉強方法を解説に加え、本番の試験を想定した模試問題が掲載されています。
公式問題集は本番の試験に近い形式と難易度の問題が載っているものでしたが、こちらは600点をクリアするためのテクニックや、730点以上の高得点を狙う攻略ポイントなど、目指す段階に合わせて試験の受け方や勉強のやり方のコツを解説してくれるのが魅力です。
これが1冊あれば、TOEICに必要な情報を網羅できでしょう。余力があれば、まずこちらでテクニックを身に付けて、公式問題集に取り組むのもおすすめです。
「TOEIC L&R TESTに出る超特急 金のフレーズ」は、TOEICによく出る単語を1000個選出した単語帳です。
この本は毎年TOEICを受験し満点を取っている実績の持ち主である著者のTEX加藤氏が単語を厳選しています。TOEICは同じ単語が頻出するという傾向があるため、TOEICに精通する加藤氏の出題予想の正確性は高く、受験者たちからの信頼も厚いです。音声で聞けるよう音声データのダウンロードもできるようになっています。
語彙力の強化は、TOEICで600点を取るために欠かせないスキルです。文法の勉強や模試の実施のみならず、単語の勉強もしっかりと力を入れていきましょう。
「世界一わかりやすいTOEIC L&Rテスト総合模試:600点突破レベル」は、本番と同じ形式の模試が2回分収録された問題集です。
ただの模試ではなく、わかりやすい解説がついている点が魅力です。600点突破を目指す人向けとなっているため、600点を取るにはどのポイントを押さえておくべきかを効率よく学べます。
600点を目指しているレベルで、満点を目指すための参考書を読んでいると、難易度が合わずに挫折したり、全てを覚えようとして全てが中途半端になったりする恐れがあります。そのため、目標に合った教材を使用し、確実に600点を取れるよう勉強していきましょう。
「TOEIC L&Rテスト全パートをひとつひとつわかりやすく。」は、イラスト満載の解説と豊富な練習問題で、全パートの「解く流れとコツ」がわかる、TOEIC L&Rテストの総合対策書です。
この「ひとつひとつ」シリーズは、累計で900万部を突破した人気のシリーズで、TOEIC L&Rテストで600~730点をめざす人には特におすすめです。リスニングの音声をスマホやPCで再生できるのも特徴で、リスニングテストもしっかり対策できます。
長年にわたってTOEICを分析し続けている著者が作成した本番レベルの問題が満載で、はじめて受験する人でもわかるような、やさしく、丁寧な詳しい解説が好評の参考書です。
社会人は忙しく、なかなか勉強する時間がないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、働きながらTOEICの勉強時間を確保する方法を紹介します。
毎日数時間の勉強時間を確保するのは難しい方は、スキマ時間を活用しましょう。
例えば、電車の中でもリスニングの訓練や単語の暗記はできます。通勤時間に片道20分ずつ勉強できれば、1日40分が平日5日で200分もの時間になります。
さらに、昼休憩、入浴中、待ち時間など1日の中に10分ほどでも使える時間があれば、すぐに単語帳を開いたり、勉強アプリを開いたりする習慣をつけておくと、細切れでも毎日1時間ほどになるのではないでしょうか。
少しのスキマ時間も積もれば勉強しないのと大きな差になります。ぜひ、上手に時間を活用して見てください。
休みの日には、しっかり時間をとって勉強しましょう。
記事の前半でも触れましたが、TOEICのスコアを100点上げようと思ったら、200〜300時間の勉強時間が必要です。そのため、スキマ時間だけでは十分とは言えません。また、試験で得点するには試験と同じ時間をかけて問題を解いて見ることも重要です。
休日はスキマ時間ではできないリーディングや、模試形式の問題集に取り組むのがおすすめです。休日にじっくりと問題を解き、答え合わせをした後、スキマ時間で間違えた問題の解説を読むという方法も効果的です。
TOEICの600点は、およそ受験者の平均的なスコアです。企業の採用時にアピールになるラインでもあり、まずは600点を目指して受験するという人も多いでしょう。
600点を取るには、文法、語彙力、リスニング力を磨くことが重要です。また、時間内に大量の問題を解くため、英語の速読トレーニングや実際の出題形式での演習をしておくと効果的です。TOEICは7つのパートに分かれていて1~4がリスニング、5~7がリーディングです。リーディングの時間配分は個人に委ねられるため、1つのパートだけに時間をかけず時間配分を意識しましょう。
社会人はまとまった勉強時間を確保するのが難しいですが、スキマ時間と休日をうまく利用して学習を進めます。記事ではおすすめの参考書を紹介していますので、ぜひ活用してみてください。