TOEICの受験料はいくら?割引はある?安く受ける方法を解説
TOEICの受験料や割引制度、お得に受験する方法について詳しく解説します。
TOEICは世界共通の英語力測定テストです。英語でのコミュニケーション力を判定するために使われ、就職活動や昇進・昇格などに役立てられています。しかし、初めてTOEICの受験を考える人にとっては、試験内容やレベル感が分かりにくいかもしれません。この記事では、TOEICの基本情報から試験内容、申込方法まで初心者向けに解説します。この記事を読めば、TOEICの全体像が理解できるはずです。
目次
TOEICとは、Test of English for International Communicationの略で、日本語では「国際コミュニケーション英語能力テスト」と呼ばれています。日常生活やグローバルビジネスにおける実践的な英語力を測定する、世界共通のテストです。TOEICの読み方は「トーイック」が一般的です。
国際ビジネスの場で必要とされる英語力を測るTOEICは、企業の採用や社員の昇進の際に活用されることが多いテストです。受験者にはスコアで英語力が示されるため、自分の実力を客観的に把握でき、目標設定にも役立ちます。
公式ページ:https://www.iibc-global.org/toeic.html
英検は、日本における代表的な英語資格・検定試験の一つです。実用英語技能検定(えいけん)の略称で、日本国内で中学・高校生を中心に人気の英語試験です。
TOEICとの主な違いは、級と合否で評価される点です。英検は5級、4級、3級、準2級、2級、準1級、1級の7つのレベルに分かれており、筆記試験と面接試験に合格する必要があります。
一方、TOEICにはそうした級はなく、リスニングとリーディングの得点によってスコアが算出される仕組みです。
TOEFLは、Test of English as a Foreign Languageの略で、「外国語としての英語のテスト」を意味します。アメリカの非営利団体であるETSが運営する英語の資格試験で、主に大学や大学院への留学を目指す人が受験します。
TOEICが日常会話やビジネスで使う英語力を問うのに対し、TOEFLは学術的な英語力を測ることに重点が置かれています。また、TOEFLは「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を測るのに対し、一般的なTOEICは「聞く」「読む」の2技能に特化しているのが特徴です。
TOEIC Programには、企業や学校で広く活用されている「TOEIC Tests」と、英語初・中級者向けの「TOEIC Bridge Tests」の2つのテストブランドがあります。一般的にTOEICというと、TOEIC Testsの中の「TOEIC Listening & Reading Test」のことを指すことが多いです。
以下、本記事ではこのTOEIC Listening & Reading Testについて解説します。
TOEIC Testsは、英語によるコミュニケーション能力を幅広く測る世界共通のテストです。実際のビジネスシーンを想定した問題が多く出題されます。
TOEIC Testsは、TOEIC Listening & Reading Test、TOEIC Speaking & Writing Tests、TOEIC Speaking Testの3種類があります。TOEIC Bridge Testsと比べると、難易度が高く設定されています。
TOEIC® Listening & Reading Test | TOEIC® Speaking & Writing Tests | TOEIC® Speaking Test | |
試験内容 | リスニング約45分 リーディング75分 | スピーキング約20分 ライティング約60分 | スピーキング約20分 |
テスト形式 | マークシート方式 | パソコンとヘッドセットを使用 | パソコンとヘッドセットを使用 |
テスト結果 | 5点刻みで10~990点のスコアで評価 | 各テスト0~200点、10点刻みのスコアで評価 | 0~200点、10点刻みのスコアで評価 |
OEIC Bridge Testsは、英語学習初級者から中級者のレベルに合わせた問題が出題される、世界共通の英語テストです。日常生活でのコミュニケーションに役立つ英語力を測ることができます。
TOEIC Testsと比べるとカジュアルな英語表現が多く、試験時間も短めです。英語の初学者はまずTOEIC Bridge Testsの受験から始めるのもよいでしょう。
TOEIC Bridge® Listening & Reading Tests | TOEIC Bridge® Speaking & Writing Tests | |
試験内容 | リスニング約25分 リーディング35分 | スピーキング約15分 ライティング約37分 |
テスト形式 | マークシート方式 | パソコンとヘッドセットを使用 |
テスト結果 | リスニングとリーディングそれぞれ15~50点で評価 | スピーキングとライティングそれぞれ0~50点、1点刻みのスコアで評価 |
ここからは、最も一般的なTOEIC Listening & Reading Testの基本情報を見ていきます。試験概要から受験方法まで、把握しておきましょう。
TOEIC Listening & Reading Testの試験時間は、合計約2時間です。リスニング(45分)とリーディング(75分)に分かれており、すべての問題がマークシート形式となります。
TOEIC Listening & Reading Testの公式受験料は、一般で7,810円(税込み)です。全国の郵便局に備え付けの払込用紙で支払うのが一般的ですが、オンラインでクレジットカードやコンビニ払いで手続きするのも可能です。
TOEIC Listening & Reading Testには、過去の合格者向けの割引制度が用意されています。1回の受験から半年後~7ヵ月の期間で開催される公開テストのうち、1回だけ7,150円(税込み)の特別料金で受験できます。何度も継続して受験する人には嬉しい制度といえるでしょう。
公開テストの場合、TOEIC Listening & Reading Testの年間スケジュールが公式サイトに掲載されています。試験は土日の午前・午後に実施され、全国の主要都市を中心に設けられています。
【2024年度】実施日
試験日 | デジタル公式認定証発行予定 | 公式認定証発送予定日 |
7月13日(土) | 8月1日(木) | 8月9日(金) |
7月28日(日) | 8月15日(木) | 8月27日(火) |
8月25日(日) | 9月13日(金) | 9月24日(火) |
9月14日(土) | 10月3日(木) | 10月11日(金) |
9月29日(日) | 10月17日(木) | 10月29日(火) |
試験結果は、試験日の17日後にインターネットでスコアを確認することができるようになります。その2日後をめどにオンラインでデジタル公式認定証が発行されます。そのあと試験日から30日以内に公式認定証が発送となります。
TOEIC Listening & Reading Testにはいわゆる「合格点」はありません。リスニング5~495点、リーディング5~495点のスコアで、トータルで10~990点の5点刻みの評価が与えられる仕組みです。スコアは正答数ではなく、母集団との比較による統計的な処理を経て算出されます。
ここからは、TOEIC Listening & Reading Testで実際にどんな形式の問題が出題されるのかを、パート別に解説します。
Listening(リスニング) | Reading(リーディング) | |
時間 | 約45分 | 75分 |
設問数 | 100問 | 100問 |
Listeningパートは約45分で100問が出題されます。すべて音声による出題で、写真描写、応答、会話、説明文の4種類のタイプに分かれています。
Part 1は写真描写問題です。写真1枚につき、その内容を説明する英文が4つ流れ、最も適切な説明文を選ぶ形式です。全6問が出題されます。
Part 2は応答問題です。ある状況に対する適切な返答を選ぶ問題で、全部で25問出題されます。状況設定文と、それに対する3つの返答がスピーカーから流れます。
Part 3は会話問題です。2~3人の会話とその内容に関する設問が3問出題され、全体で13セット39問が出ます。設問は音声で流れますが、選択肢は問題用紙に印刷されています。
Part 4は説明文問題です。約1分程度のまとまった英文を聞き、その内容に関する設問に答えます。説明文は10個で、それぞれ3問ずつの計30問が出題されます。
Readingパートは制限時間75分、全100問が出題される読解中心のセクションです。短文穴埋め、長文穴埋め、長文読解で構成されています。
Part 5は短文穴埋め問題です。文法や語彙の知識を問う問題となっており、全部で30問出題されます。空所に当てはまる最も適切な語句を4つの選択肢から選びます。
Part 6は長文穴埋め問題です。4つの文書と、それぞれの空所補充問題が4問ずつ、計16問出題されます。文書は手紙やメールなどのビジネス文が中心です。
Part 7は長文読解問題です。雑誌記事やメール、広告など日常的・実務的な文章が使われます。文書が1~5つのセットで出題され、それぞれ2~5問程度の設問に解答します。全部で54問が出題されます。
TOEIC Listening & Reading Testの申込方法は、主に以下の3つです。
個人での申し込みはウェブサイトからの手続きが便利です。試験日の約2ヶ月前から申込受付が始まり、試験日の約1ヶ月前に締め切られるのが一般的なスケジュールです。
なお、申し込み後の変更・キャンセルは原則できないので注意しましょう。
当日は開始30分前までに指定された試験会場に到着し、受付を済ませます。会場入口で受験票と写真付き身分証明書の提示を求められるので、忘れずに持参しましょう。
座席は指定制となっており、机の上に置かれたアンケート用紙(座席番号が記載)で自分の座席を確認します。アンケートは試験開始前に回収されるので、早めに記入を済ませておくのがよいでしょう。
開始10分前になると試験監督者から注意事項の説明があります。その際にリスニングテストの解答用紙が配られます。問題用紙は試験開始と同時に配布されるので、そのタイミングまで開封してはいけません。
試験開始の合図とともに、まずはリスニングテストからスタートします。約45分かけて100問に解答していきます。音声は一度しか流れないので集中して聞き逃さないようにしましょう。
リスニングの後はリーディングに移ります。こちらはリスニング同様100問で、制限時間は75分です。時間配分に注意しながら、問題文をしっかり読み解いていきましょう。
リーディング終了後、監督者の指示に従って問題用紙と解答用紙を提出します。終了後は速やかに退室します。なお、リスニングとリーディングの合計所要時間は約2時間ですが、諸注意や配布物の回収などを含めると試験全体では2時間半程度かかるのが一般的です。
試験当日は以下のものを忘れずに持参しましょう。
【TOEIC Listening & Reading Test試験当日の持ち物】
特に受験票と身分証は必須アイテムです。どちらか一方でも不備があると受験ができません。
また、会場には時計が設置されていないことが多いため、腕時計を用意しておくと安心です。ただし、携帯電話やスマートウォッチなどの通信機能・辞書機能のついたものは不可です。シンプルなアナログ時計やデジタル時計を選びましょう。
まず始めに、自分の現在の英語力を客観的に把握することが重要です。前述の通りTOEICの過去問題は公開されていませんが、実際の試験と同じ形式で作成された公式問題集や模試を受験することで、現時点での自分の位置づけを知ることができます。
単にトータルスコアを見るだけでなく、パート別の得点率や、設問ごとの正答率などを分析することがポイントです。リスニングとリーディングのどちらが苦手なのか、また細かくは写真描写や長文読解など、どの問題形式に弱点があるのかを知ることで、今後の学習計画が立てやすくなります。
TOEICの勉強では、語彙力と文法知識、リスニング力、読解力のバランスを偏りなく伸ばしていくことが大切です。
語彙は最低でも3,000語程度、できれば5,000語以上をインプットすることを目指します。TOEICで登場頻度の高い単語を優先的に覚えていきましょう。語彙集などを活用しながら、反復学習を心がけることが上達の秘訣です。文法事項も、高校卒業程度の基礎知識は必須と言えます。苦手意識のある人は基本的な文法書などで復習しておくとよいでしょう。
リスニングは繰り返し音声に触れることが上達への近道です。TOEIC形式の問題に加えて、ネイティブスピーカーの発音や話すスピードに慣れるため、映画やドラマ、ニュース番組なども活用しましょう。読解問題では、制限時間内で大量の英文を処理する訓練が必要です。長文問題を数多くこなし、設問の解き方や時間配分のコツを掴んでいきます。
TOEICはビジネスシーンでの英語運用力を測る試験なので、ビジネス英語の表現や言い回しを身につけることも重要です。ビジネスメールの例文集や、実践的なロールプレイ問題などを用いた学習をすることで、スコアアップにつながるでしょう。
学習を継続させることがTOEIC対策の何より大切な点だと言えます。1日30分でも構わないので、毎日英語に触れる習慣を身につけましょう。通勤・通学の電車の中や、スキマ時間を有効に使うことがおすすめです。
ここでは、TOEICに関してよく出てくる質問について回答します。
A. 残念ながらTOEIC Listening & Reading Testに関しては、公式の過去問題集は販売されていません。ただし、実際の問題と同じ形式や難易度で作成された公式問題集が発売されているので、そちらを使って対策するのがおすすめです。
A. TOEICは、実用的な英語コミュニケーション能力を測るための試験です。学校の成績評価や単位認定、企業の採用や昇進の基準など、さまざまな目的で使われています。自己啓発として学習の指針にしたり、キャリアアップのツールとして活用したりするケースも多いです。
A. 就職・転職活動の際には、客観的な指標としてTOEICのスコアをアピールすることで有利になるケースが多いです。ただし、企業によって評価の基準は異なります。一般には600点以上が望ましいとされ、英語を使う仕事では750点以上が求められることが多いです。
この記事では、TOEIC Listening & Reading Testの概要から試験内容、申し込み方法まで、初心者向けにわかりやすく解説してきました。TOEICは英語学習へのモチベーションを高め、自己成長の指針となる有益なテストです。ただし、高得点を目指すには地道な努力と学習の継続が欠かせません。まずは自分の目的とレベルを見極め、それに合った現実的な目標設定をすることから始めてみてください。コツコツと一歩ずつ、TOEICでの目標達成を目指しましょう。