公式LINE友達追加

ITパスポートは履歴書に書ける?書き方の例や転職時にITパスポートを活かすためのポイントを紹介

ITパスポートは、ITの基本的な知識を問われる国家試験です。難易度がそれほど高くないこともあり、どのように履歴書へ記入すればよいか迷ってしまう人もいらっしゃるでしょう。

本記事では、ITパスポートを履歴書に書けるかどうか、履歴書に書く場合の記載方法、就職や転職時に活かすためのポイントについて詳しく解説します。

ITパスポートを履歴書に書こうかどうか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

ITパスポートとは

ITパスポートとは、ITに関する基礎的な知識を持っていることを証明できる、経済産業省認定の国家試験です。略して「iパス(アイパス)」と呼ばれることもあります。

2024年現在、IT系の国家試験「情報処理技術者試験」は13種類あり、その中でもITパスポートは難易度が低めで、入門レベルという位置づけです。

合格するには幅広い知識が求められ、下記の3分野について問われます。合格点は1,000点満点(総合評価の満点)中600点以上、かつ各分野で1,000点満点(分野別評価の満点)中300点以上の得点が必要です。例年合格率は50%程度を推移しており、入門レベルとはいわれているものの、決して簡単に合格できる試験ではありません。

仕事で必要となるITの幅広い基礎知識の習得が求められ、国家試験であることから、企業から評価を得やすい試験だといえます。

ITパスポートは履歴書に書ける?

ITパスポートは国家試験であり、履歴書に記載してアピールできます。履歴書への記載がマイナスになることはないため、書いておいて問題はありません。

ただし、ITパスポートを履歴書に書く際に注意しておきたい点もあります。ITパスポートの位置づけを理解し、アピール方法を考えてみましょう。

ITパスポートを履歴書に書くメリット

ITパスポートを履歴書に書くことで、次のメリットが期待できます。

 幅広い分野の基礎的なIT知識があると認識される
ITパスポートの試験では、経営全般のストラテジ系、システム開発や保守などのマネジメント系、データベースやセキュリティなどのテクノロジ系といった分野から問題が出題されます。ITパスポートに合格していると、これらに関する基礎的な知識を持っているという自己PRが可能です。

 コンプライアンスや情報セキュリティへの理解度を示せる
情報漏えいは、企業にとってあってはならないことです。ITパスポートでは、コンプライアンスや情報セキュリティの知識も問われるため、これらについて正しい知識を持っていて、企業のリスク管理に貢献できるとアピールできます。

ITパスポートを履歴書に書く際の注意点

ITパスポートを履歴書に書いても、損になることはありません。しかし、IT業界への就職・転職を考えている場合、自己PRとしては少し物足りなく感じられるかもしれません。

ITパスポートは、IT系の国家試験としては入門レベルの難易度です。幅広い知識を求められる試験内容となっていますが、専門性という意味では不十分です。とくにITの専門職であるエンジニアやプログラマーの仕事をしたいと考えている場合、ITパスポートだけではアピールにならず、さほど有利にならない可能性も否めません。

しかしながら、記載することによるデメリットはありませんので、履歴書に書いてあっても問題になることはないでしょう。

ITパスポートを履歴書でPRしたほうがよい人

さまざまな企業でIT化が進んでいる現在、ITパスポートはあらゆる業種、あらゆる職種において業務に役立つ可能性があります。よって、ITパスポートを保有している方は、その旨を履歴書に書いてPRするとよいでしょう

IT企業への転職の際はもちろん、IT以外の業種においてもDXの流れを受けてIT化を推進している企業が多いため、ITパスポートを取得していることを履歴書に記載することで、システムに関する基礎的な知識を保有していることをアピールすることが可能です。

また、業種を問わず、各企業のさまざまな業務でIT導入が進んでいることから、ITパスポートはあらゆる職種で役立つ可能性があります。とくに、日常業務でITツールを使う機会の多い事務系職種、情報セキュリティ等に関わる管理系職種では、ITパスポートの保有は一定程度のアピールになるでしょう。

さらに、IT業界に進みたいものの経験や実績のない人も、ITパスポートを保有していることを履歴書に記載するのをおすすめします。実務経験の有無は、転職時に問われる内容の一つです。実績や経験が少ない場合、ITパスポートに合格していることが最低限の知識やスキルを持っていることのアピールになります。実績不足を補う意味でも、ITパスポートを履歴書に書いておくようにしましょう。

ITパスポートの履歴書への書き方・記入例

履歴書にITパスポートのことを書く場合、記入ミスがあると評価を下げてしまう可能性があります。次に挙げる点に注意して、マイナス評価につながらないようにしましょう。

・正式名称と合格年月を書く
資格名は必ず正式名称を記載します。ITパスポートの場合「ITパスポート試験」が正式名称です。また、取得年月は合格証書に書かれている年月を書くようにしましょう。西暦・和暦はどちらでもよいですが、履歴書全体で統一するようにします。

・資格・免許欄に書く
資格を記入する場所は、免許・資格欄です。学歴欄や趣味・特技欄といった場所には書かないように注意しましょう。他にも記入する資格がある場合は、取得した年月の順に記載するのが基本ですが、応募先の業種に関係する資格を上位に書く方法もあります。ITパスポートのアピールが効果的だと考えられる場合は、上位に書いておくとよいでしょう。

履歴書への具体的な記入例は、次のとおりです。

免 許 ・ 資 格
〇〇〇〇 (西暦・和暦どちらでも可)ITパスポート試験 合格
   
  以上
   

ITパスポートを転職に活かすためのポイント

ITパスポートを転職時に活かすには、次のポイントを押さえると効果的でしょう。

【ITパスポートを転職に活かすためのポイント】

それぞれについて、詳しく説明します。

ITパスポート試験合格に際して得たものをアピールする

ITパスポートの試験合格のため、どのように学習してきたかを説明し、計画性や積極性をアピール材料とするのも一つの方法です。

ITパスポートは履歴書に記載することで、ある程度の知識を持っていることをアピールできます。しかし、ITパスポートは専門的な知識を問われるものではないため、必要以上のアピールはかえって逆効果となる可能性があります。

とくにIT企業への転職活動にあたっては、「知識を得るのが楽しい」「計画性を持って学習できる」といった、自己の内面もあわせてアピールするとよいでしょう。

ITパスポート合格者優遇の求人を選ぶ

求人の条件に、「ITパスポート合格者」と記載のあるものへの応募が可能になります。

最近では、多くの企業でDXが推進され、ITの利用も当たり前になりつつあります。そのため、業種を問わずITパスポートの学習が推奨され、合格者を優遇する企業も増えつつあります。

転職サイトでITパスポートを検索すると、合格者を求める求人が数多く見つかるはずです。こういった求人に応募することで、自身のスキルを活かせる職場を見つけられるでしょう。

異業種からの転職ならIT基礎力をアピールする

ITパスポートは、経営全般の知識やITの技術面などを問われる試験です。ITパスポートに合格していることで、これまでIT企業での職務経験がない場合でも、「ITの基礎知識を持っている」というアピールが可能となります。

AIやビッグデータ、IoTといった新しい技術、アジャイルといった新しいシステム開発手法について問われることもあるため、ITパスポートに合格していることで、ITの先進的な知識を持っていると判断されるかもしれません。

未経験からIT業界を目指すには、実務経験がない分、スキルの証明としてITパスポートが役立てられるでしょう。

業界に関わらずIT化が進む企業へシステム活用力をアピールする

最近では、業界に関わらずITの導入が進められています。そういったIT化の推進を図っている企業に対し、システムを活用できる力があるというアピールが可能です。

とくに経理や総務といった事務系の職種では、日常的にITツールを使う業務が多いため、ITパスポートはプラス評価につながりやすい傾向があります。情報セキュリティやコンプライアンスの知識があることも、管理部門の職種では非常に有利になります。

IT導入時に役立つ人材として企業に売り込むことができるため、転職時に有利となる可能性があるでしょう。

ITパスポート以外でIT業界への転職に役立つ資格

IT業界への転職を考えている場合、ITパスポート以外のIT系試験にも合格しておくと、より有利に転職活動を進められます。ここでは、次に挙げる国家試験について詳しく説明します。

基本情報技術者試験・応用情報技術者試験

基本情報技術者試験・応用情報技術者試験は、いずれもITエンジニアを対象とした国家試験です。

基本情報技術者試験は、ITを活用したサービス・製品・システム・ソフトウェアなどを作る人材に必要な基本的知識・技能を問われます。「上位者の指導の下に担当業務ができる技術水準」を求められる試験となっており、おもにITエンジニアとしてキャリアをスタートする人に向けた内容です。ITパスポートより難易度が高く設定されており、IT系の国家試験「情報処理技術者」での位置づけは「レベル2」となっています。

応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の上位にあたり、よりレベルの高い知識を求められる試験です。位置づけは「レベル3」となっており、合格にはIT技術・管理・経営などに関する幅広い知識と応用力が必要です。

いずれの試験も、IT業界での転職時には高い評価を得られるでしょう。とくに応用情報技術者試験は、システムエンジニアやプログラマーといった職種では、転職時のアピールとして非常に有利になるでしょう。

情報セキュリティマネジメント試験

情報セキュリティマネジメント試験は、情報システムのセキュリティ管理に特化した内容を問われる国家試験です。サイバー攻撃や内部不正といった脅威から、機密情報を守るための基本的なスキルを問われます。

個人情報などの機密情報を取り扱う人や、情報セキュリティの知識やスキルを身につけたい人に向いている内容です。試験の位置づけは「レベル2」となっており、ITパスポートからのステップアップにもおすすめです。

ただし、情報セキュリティマネジメント試験に合格することで特別な職種に就けるわけではないため、転職時に大きく有利になることはないでしょう。試験合格をアピールするというより、情報セキュリティに対するリテラシーの高さをアピールすることを目的にしましょう。

ITストラテジスト試験

ITストラテジスト試験は、経営戦略に基づくIT戦略や、ITを高度にビジネスに活用する能力・実行力などを問われる国家試験です。

企業の経営陣やITコンサルタントへ向けた内容で、難易度はIT系の国家試験としては最高の「レベル4」です。合格率は15%前後を推移しており、非常に難易度の高い試験として知られています。

ITストラテジスト試験は、難易度の高さから評価が高く、合格していると転職時には非常に有利です。ITと経営に関する高い知識レベルの証明となるため、経営陣や管理職としての転職も視野に入れられます。ITストラテジストとしてフリーで活躍する人も見られるほどレベルの高い試験ですが、合格には相当な努力が求められるでしょう。

まとめ

ITパスポートは、ITに関する基礎的な知識の習得を証明できる国家試験であり、難易度はIT系では入門レベルとなっています。履歴書へ記載すれば就職や転職時のアピールにつなげることが可能です。記載による大きなデメリットはありませんので、特別な事情がない限り履歴書に書いておくことをおすすめします。

履歴書へ記入する際は、正式名称と取得年月を間違えずに記載するようにします。記載ミスがプラス評価につながることはありませんので、細心の注意を払うようにしましょう。

ITパスポートに合格していると、ITの基礎力を持っている証明になります。IT系の企業への就職・転職を狙う際は、もう一歩専門的な資格を併せ持つと、より有利に進められます。まずはITパスポートの合格を目指しましょう。


関連記事