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基本情報技術者の難易度は高い?合格率・合格点の詳細や資格偏差値まで解説!

基本情報技術者の難易度は高い?合格率・合格点の詳細や資格偏差値まで解説!

プログラミングを中心としたITスキルの需要は年々増加の一途を辿っており、それに伴いエンジニアの登竜門とも言える「基本情報技術者」の人気を高まりを見せています。また、試験にはCBT方式が新たに導入されており、現在の試験難易度がどうなっているか気になる方も多いことでしょう。
そこでこの記事では基本情報技術者試験の難易度について多方面から詳しく解説しました!

基本情報技術者の難易度を解説

基本情報技術者試験の難易度

基本情報技術者試験は、多くのIT企業において数多くの新入社員が受験し、エンジニアの登竜門言える資格です。
IPA(情報処理推進機構)の公式サイトによれば、この試験の対象者は「高度なIT人材となるために必要な基本的な知識やスキルを備え、実践的な応用能力を持っている人」とされています。
言い換えると、基本情報技術者試験は、IT業界で成功するために必要な基本知識を理解しているかどうかを試す試験と言えます。

CBT方式採用で合格率は上昇傾向に

基本情報技術者試験の合格率平均はCBT方式の導入により大きく変化しました。
ペーパー試験時代の合格率は平均すると20%台前半〜後半であったのに対し、CBT方式導入後にその平均は急激に上昇し、30~40%で推移しています。
ただ、2023年4月から試験方式や出題範囲の傾向に変更が加えられるため、今後の合格率の動向は予測しづらい状況となっています。

2023年の試験制度変更で難易度への影響は必至

基本情報技術者試験では、2023年4月から試験制度が大きく変わり、これにより試験難易度にも影響が出ると予想されます。
変更を端的にまとめると次のようになります。

  • 試験時間の大幅短縮
  • 出題数の大幅短縮
  • 旧午後試験に準ずる「科目B」試験の出題内容が大きく変更
  • 採点方式が素点方式→IRT方式に変更

このように試験形式から出題傾向まで2023年4月を境に様変わりしており、試験内容はこれまでのものと比較しても大きく生まれ変わったと言えるでしょう。
よって、従来とは異なる出題形式に対応する必要があり、試験難易度に影響が出ることは必至です。

今後の合格率の動向は要確認

先述したように、基本情報技術者試験の合格率は試験制度の変更により数字の予測が難しい状況です。
以下では参考値として、平成29年度から令和4年度下期までの、基本情報技術者試験の合格率を表にしました。

<ペーパー試験時の合格率>

年度合格率
平成29年度春期22.5%
平成29年度秋期21.8%
平成30年度春期28.9%
平成30年度秋期22.9%
平成31年度春期22.2%
平成31年度秋期28.5%

<CBT試験時の合格率>

年度合格率
令和2年度(令和3年1月実施)57.9%
令和2年度(令和3年2月実施)50.4%
令和2年度(令和3年3月実施)44.1%
令和3年度上期(令和3年5月実施)49.9%
令和3年度上期(令和3年6月実施)39.3%
令和3年度下期(令和3年10月実施)46%
令和3年度下期(令和3年11月実施)38.8%
令和4年度上期(令和4年4月実施)45.1%
令和4年度上期(令和4年5月実施)38.3%
令和4年度下期(令和4年10月実施)39.0%
令和4年度下期(令和4年11月実施)34.8%

受験資格は存在しない

基本情報技術者試験は、受験資格が制限されていないため、誰でも受験することができます。
また、情報処理技術者試験全体を見ても基本的に受験資格は存在しません。そのため、受験までのハードルは低いことがわかります。

試験制度変更による影響を詳しく解説

下記では、試験の難易度にも大きく影響する、2023年4月より始まった新試験制度について詳しく解説していきます。

試験は通年で受験可能に

基本情報技術者試験の受験タイミングが制度変更前後で大きく変化しています。

変更前変更後
実施タイミング上期・下期の定められた期間通年受験が可能(リテイクポリシーあり)
受験回数年間2回申込済みの試験が終了した段階で再申し込み可能

変更後の試験は、通年での受験が可能となり、受験者は自身の都合の良いタイミングで資格取得を目指すことができるようになりました。
これにより、各受験者がきちんと学習を終えた適切な段階で試験を受験することができるでしょう。

科目Bの出題内容に注意が必要

科目Bは旧午後試験と比較して、出題分野構成が大きく変化しています。

分野変更前変更後
出題分野必須解答:情報セキュリティ・データ構造及びアルゴリズム・ソフトウェア開発
選択解答:テクノロジ分野・マネジメント/ストラテジ分野
情報セキュリティ・データ構造及びアルゴリズムの2分野が中心

科目B試験では、旧午後試験では配点割合が全体の半分に満たなかった「情報セキュリティ」「データ構造及びアルゴリズム」の2分野で構成されることになりました。
よって、今まで以上に上記2分野に対する対策を実施する必要があります。

出題数・解答時間ともに大きく減少

区分け変更前(午前/午後試験)変更後(科目A/B試験)
午前/科目A試験試験時間:150分
出題数:80問
解答数:80問
試験時間:90分
出題数:60問
解答数:60問
午後/科目B試験試験時間:150分
出題数:11問
解答数:5問(選択問題あり)
試験時間:100分
出題数:20問
解答数:20問

科目A試験では解答時間が40%、出題・解答数が25%減少し、科目B試験では、解答時間が1/3減少しており、全体として以前よりも短時間で問題を捌くことが求められるようになりました。
一方、科目B試験では大問構成の問題形式が、小問構成に変更となった影響で問題数が増加しています。

採点方式も大きく様変わり

従来の試験では、試験で獲得した素点をもとに合否判定が行われていた一方、新試験ではCBT方式での試験に変更となったことから、IRT方式の採点方式に変更となりました。
IRTとは「Iterm Response Theory 項目応答理論」の略称であり、次のような理論であると言われています。

合計得点の問題点を解決するために,項目の難易度などの項目特性と,各受検者の能力を分離して考え,共通尺度上でのテストの構築と実施を支えるテスト理論
::名古屋大学 石井研究室 テスト研究より::
これにより、合計得点での判断で問題となる問題の難易度や配点によって影響を受けてしまう、というデメリットを解消することができるのです。

合格基準はこれまで通り6割

合格基準点は試験の変更前後で変わらず6割に設定されています。
ただ、採点方式が異なるため、その意味合いは変更している点には注意が必要です。

基本情報技術者試験の難易度が高い理由

基本情報技術者試験は合格率からも難易度は高いと言われることが多いです。
実際どのような理由で難しくなっているのかを見ていきましょう。

初心者にはとっつきづらい試験

基本情報技術者試験には、IT初心者にとって難しい内容が含まれており、これが合格率を下げる要因の一つです。
特に「アルゴリズムとプログラミング」の分野は、普段からシステム開発・構築に携わっていない人にとっては取っ付きづらい分野であり、短時間でその内容を消化するのは難易度が高いと言えます。
もちろん、実際にIT業界で働く上で必要となる知識であるため、初学者の方は十分な学習時間を確保して勉強に励むことが大切です。

基礎がメインで学習内容をつまらなく感じる

基本情報技術者試験は、初学者にとって難しい試験である一方、経験者からすると基本的すぎて実践感に欠ける部分もあります。
これは、試験がITの基礎知識の理解を求める一方で、現場の実務との乖離が生じてしまっていることが原因です。
具体的には、問題文を読んでもシチュエーションがイメージしづらいことや、学んだ知識が実際の現場でどのように活かされるのかが分からないと感じることがあり、資格取得へのモチベーションが低下するのも理解できます。
この場合、資格試験を単なるゲームとして捉えることで、現場と一時的に切り離して考えると良いでしょう。
試験はあくまで一つのステップであり、実際の業務においてはさまざまな要素が組み合わさっています。

また、実務経験がない初学者にとっては、ITの基礎知識の理解が重要ですが、実際の現場での経験や実践的なプロジェクトへの参加も大切です。
試験対策だけでなく、実務経験を積むことで理解が深まり、資格取得にもプラスの影響を与えます。

多くの勉強時間を必要とする

基本情報技術者試験は試験範囲が広く、内容を一周するだけでも一定程度の時間がかかります。
そのため、暗記に対して一定の工数を割く必要があり、それに伴い多くの学習時間を求められることとなります。
実施の勉強時間として、初学者は200時間程度、IT経験者で50時間以上の確保が必要であると言われており、特に働きながら資格取得を目指す初学者の方にとっては容易ではありません。。

他の情報処理技術者試験と難易度を比較

応用情報技術者はステップアップ後の資格

応用情報技術者試験は、この点は、IPAにおける情報処理技術者試験のレベル分けにおいて3であるとされ、基本情報技術者試験のレベル2よりも上位のステップアップ資格です。
合格率は近年20%前後を推移しており、合格率を比較してみてもその難易度の高さを窺い知ることができます。
よりITエンジニアとしてレベルアップを期す方に受験をおすすめできる資格であると言えるでしょう。

ITパスポートはより簡単な試験

ITパスポート試験は広範囲な人々を対象としたITの利活用に関する入門資格です。この試験は、社会人や学生がITをうまく利用し、最大限に活用するために必要な、基本的なIT関連知識の理解と応用能力を証明することを目的としています。
ITパスポート試験の合格率は50%以上であると言われており、その数字は基本情報技術者と大きく相違ないものの、受験者レベルや試験内容の高度さの観点から見ると、その難易度差は明らかであると言えます。
この点は、情報処理技術者試験のレベル分けにおいてITパスポート試験はレベル1であることからも明らかです。

独学時におすすめの勉強法

知識の理解・定着を大切に

基本情報技術者試験では、初見では難解に映る知識が多数登場し、それらの知識の理解・定着を疎かにしてしまうと、いつまで経っても試験内容への理解が深まりません。
そのため、インプットを行う際には1つ1つの知識の活用場面やその仕組みを具体的に想起し、各概念への理解を深めていくようにしましょう。
これを地道に行うことで、その後の実力を指数関数的に伸ばす素地を作ることができます。

アウトプット量を意識的に増やす

インプットした知識は使わないと本当の意味で定着することは難しいです。
そのため、インプットを完璧にする前に6~7割程度の完成度で知識を頭に入れた後に、即座にアウトプットを一定量実施し、知識の定着を多方面から促すようにしましょう。
独学者の方は、この点を意識しないといつまで経ってもインプット作業に終始してしまう傾向が見られるため

目標期限を定めて逆算してスケジュールを立てよう

基本情報技術者試験は自分の好きなタイミングで受験することができるため、受験の際には必ず目標受験日とそこから学習期間を逆算してスケジューリングを行うようにしましょう。
スケジュール立案にあたっては、ご自身の生活に即した可処分所得時間や、IT知識に対する見識具合を踏まえた上で、日々の学習計画を立てることが必須です。

新試験制度では過去問が公表されないので注意

試験の傾向を掴む上で、過去問を解くことは試験学習の王道ですが、基本情報技術者の現行制度では、通年試験との関係から過去問は掲載されていません。
新試験制度前の過去問は存在するものの、試験範囲やその傾向も変化していることが予想されるため、あくまでも参考程度にとどめておくことをおすすめします。

基本情報技術者の難易度まとめ

基本情報技術者試験の難易度について解説していきました。
2023年4月の試験制度変更を境に、以前と比較して取り組みやすい資格となりました。

ご自身の都合の良いタイミングでぜひ資格取得を目指されてみてはいかがでしょうか?


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