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基本情報技術者試験の合格ラインは?科目A・Bそれぞれの配点や出題内容も紹介

基本情報技術者試験の合格ラインは?科目A・Bそれぞれの配点や出題内容も紹介

基本情報技術者試験は、IT業界でエンジニアとしてのキャリアをスタートさせるための登竜門とされる資格です。

特に、ITの基礎的な知識を問うこの試験をクリアすることは、自身の技術力を証明するだけでなく、就職・転職活動時におけるアピールポイントともなります。

近年では試験制度も大きな変化を遂げており、現在では科目Aと科目Bの二部構成の試験となっています。科目AではITの基本的な知識を、科目Bではより専門的な知識を問います。

ここではそんな基本情報技術者試験の合格点や配点、出題内容を紹介します。

基本情報技術者試験の合格点は?

基本情報技術者試験は長らくペーパーテストで行われていましたが、2023年からCBT方式での実施となりました。これに伴い試験が通年で実施されるようになり、より気軽にチャレンジできるようになりました。

また、CBT方式への移行後は合格率もグッと高くなり、従来の20〜30%から40〜50%ほどになりました。

一方で試験制度変更後も合格ラインは変わらず、満点の6割の得点となっています。

科目A・Bともに1000点満点中600点以上で合格

基本情報技術者試験は、科目Aと科目Bという二つの部分で成り立っています。それぞれ1000点満点で、科目Aは60問の四択問題、科目Bは長文に対する複数選択肢問題という形式です。

合格のためには、各試験で600点以上、つまり60%以上のスコアが必要です。このシステムは、片方の試験だけで高得点を取るだけでは合格できないということを示しており、科目AとBの均等な学習と対策が重要となります。

合格基準は絶対評価方式を採用しており、得点が600点を超えれば、相対的な順位などに関係なく合格となります。

この試験は情報技術の知識と理解を評価するためのもので、合格者は実際の仕事の現場で技術者として活躍できるスキルと知識を有していることが認められます。試験対策としては、過去問の研究、情報技術の最新トレンドの追跡、そして定期的な復習と自己評価を行うことが有効とされています。これらの対策を行うことで、合格への道をスムーズに進むことが可能となります。

科目Aの配点

基本情報技術者試験の科目Aは60問の出題で、その内容は大きく3つのカテゴリーに分けられます:テクノロジ系、マネジメント系、そしてストラテジ系です。

テクノロジ系の問題は約41問で、全体の大部分を占めています。マネジメント系は約7問、そしてストラテジ系は約12問となります。

テクノロジ系が試験の大部分を占めるため、この領域での得点が試験全体の結果、つまり合否を大きく左右するでしょう。テクノロジ系の範囲は、コンピュータ科学の基礎、システム開発、ネットワーク技術、データベース技術、ハードウェアとソフトウェアの理解など、広範で深い知識が求められます。

それに対して、マネジメント系とストラテジ系の問題はより少ないですが、プロジェクト管理、IT戦略立案、ビジネスとITの融合、企業のITガバナンスなど、ビジネスと技術のインターフェースに関連した知識が求められます。

よって、試験対策としては、特にテクノロジ系の知識とスキルの強化を重点的に行うべきですが、マネジメント系とストラテジ系の知識も軽視せず、バランス良く学習することが求められます。

科目Bの配点

科目B試験は、アルゴリズムとプログラミングに関する問題が16問、セキュリティに関する問題が4問の、合計20問で構成されています。以前の試験形式では受験者が自分で回答する問題を選べましたが、試験制度の変更後、全ての問題に対する回答が必須となりました。

このように、科目B試験では特にプログラミング能力とアルゴリズムに対する理解が重視されています。プログラミング能力を問う問題は、実際のコーディング技術だけでなく、プログラムの設計、テスト、デバッグに関する知識も評価の対象となります。また、アルゴリズムに関する問題は、アルゴリズムの理解、設計、最適化についての知識を問います。

一方、セキュリティの問題は、情報セキュリティの基本原則、リスク管理、暗号技術、ネットワークセキュリティなど、幅広いセキュリティに関する知識を必要とします。

したがって、科目B試験の対策としては、プログラミングとアルゴリズムに関する深い理解と実践的な技術、そして情報セキュリティに関する基礎的な知識を強化することが重要となります。

基本情報技術者の合格率は40〜50%前後

基本情報技術者試験の合格率はCBT方式の導入前後で大きく変わります。

CBT導入前は20〜30%とかなり低い合格率でしたが、CBT導入後は40〜50%と比較的合格しやすい試験へと変わりました。

以下にCBT導入後の合格率を示します。

年度合格率
令和2年度(令和3年1月実施)57.9%
令和2年度(令和3年2月実施)50.4%
令和2年度(令和3年3月実施)44.1%
令和3年度上期(令和3年5月実施)49.9%
令和3年度上期(令和3年6月実施)39.3%
令和3年度下期(令和3年10月実施)46%
令和3年度下期(令和3年11月実施)38.8%
令和4年度上期(令和4年4月実施)45.1%
令和4年度上期(令和4年5月実施)38.3%
令和4年度下期(令和4年10月実施)39.0%
令和4年度下期(令和4年11月実施)34.8%
令和5年度4月56.4%
令和5年度5月54.7%
出典:IPA 統計情報(令和5年度以降)

CBT導入後も合格率は実施回によって大きく変動しており、時期により約34.8%から57.9%の範囲で推移しています。2023年4月と5月には、それぞれ56.4%、54.7%と比較的高い合格率を示しています。この合格率の変動は、試験の難易度、受験者の準備の状況、そして試験形式の変更など、様々な要因によるものと思われます。

他の試験、例えばITパスポートや情報セキュリティマネジメント試験と比較すると、基本情報技術者試験の合格率は以前は低い傾向にありました。しかし、CBT(Computer Based Testing)方式の導入や試験制度の変更などの影響により、合格率はペーパー試験の頃と比較して大幅に向上しています。

CBT方式の導入により、試験の便利性が向上し、受験者が自分のペースで試験を受けることが可能になりました。また、新しい試験制度では、科目Aと科目Bの全ての問題に回答が必須となり、バランスのとれた知識とスキルを求める形となりました。

これらの情報から、基本情報技術者試験は試験形式や難易度が変化し続けており、受験者は常に最新の試験情報に基づいて適切な対策を行う必要があることが分かります。

独学でも合格ライン突破は可能?

基本情報技術者試験は、広範で深い知識と理解を求めるため、独学での合格は容易ではありません。成功の鍵は情報収集に始まり、適切な計画と継続的な学習です。継続は力なり、ということわざが示すように、無理なく持続可能な学習の段取りを組むことが重要です。

社会人として時間が限られている場合でも、効率的な学習法を採用すれば独学合格はもちろん可能です。それは平日の帰宅後に一定時間勉強するものか、休日を利用して集中的に学習するものか、あるいはその両方か、それは人それぞれのライフスタイルや習熟度によります。

最終的に、自分自身に合った学習方法を見つけることがストレスの蓄積を防ぎ、試験合格への道を確実にします。そのためには、学習スタイルを反省し、自己評価を行い、必要に応じて修正していくことが不可欠です。

さらに、試験範囲を完全に把握し、理解度をチェックするための自己評価テストを定期的に行うと有効です。また、過去問題の練習も非常に有益で、実際の試験問題への対応力を上げ、自信を得るための良い方法と言えます。

無理に独学にこだわる必要はない

上記の通り、基本情報技術者試験は独学での合格が可能ではありますが、そのためには自己学習のための時間と、自己評価、修正というプロセスを経る必要があり、これにはかなり精神力が必要になります。

特に日々忙しい社会人や主婦の方々にとっては、時間や活力を全て試験勉強に充てることは現実的ではないため、効率的に合格を目指すために通信講座の受講も検討するのが良いでしょう。

通信講座は、あらかじめ専門家がカリキュラムを作成し、試験に対する重要な知識やスキルを体系的に学べる環境を提供します。また、学習プロセスの進捗を追跡し、問題が発生した場合に対応するためのサポートがあります。

さらに、通信講座は、個々の生活スタイルに合わせて自由に学習時間を設定できるため、忙しい日々を送る方々にとって特に便利です。自分のペースで学べるため、自分自身の学習スタイルと時間の制約に応じたフレキシブルなスケジューリングが可能です。

したがって、より効率的な学習を目指し、自己学習の課題を解決するために、通信講座を受講することを検討する価値があります。

基本情報技術者の合格点を意識した勉強法

最後に、基本情報技術者試験の合格点を意識した対策法をご紹介します。

配点から学習の比重を決める

試験勉強においては、配点の高い部分からのアプローチが重要であり、結果を大きく左右する各部分の合格ラインを意識的に超えることが必要です。試験の各範囲に対する理解と得点の期待値を均衡させるための計画立てが求められます。

特に、基本情報技術者試験の科目Aでは、テクノロジ系が全体の半分以上を占めています。この範囲に対する理解を深め、その合格点を6割以上に持っていくことが、試験合格への最初の大きなステップとなります。IT経験が乏しい受験者にとっては、ここに焦点を当てた学習が特に推奨されます。

テクノロジ系を学習の主軸とすることで、一定の得点基盤を確立できます。一度テクノロジ系の得点基盤が確立されれば、マネジメントやストラテジ系の学習にも取り組むことが可能となります。

科目Bでは、アルゴリズムとプログラミング言語が主要な配点となっています。これらの範囲についても、適切な勉強時間を割くことで、安定した得点を期待できます。

それぞれの学習領域は独立したものではなく、相互に関連しています。テクノロジ系の知識はプログラミングやアルゴリズムの理解に寄与し、マネジメントやストラテジ系の理解は、より高度な問題解決スキルの発展に役立ちます。したがって、総合的な視点から学習計画を立て、全範囲をバランス良くカバーすることが最終的な成功につながります。

800点を目標に勉強する

基本情報技術者試験の合格基準は、全体の点数1000点中600点とされています。これは全体の60%であり、一見すると楽に達成可能な目標のように思えるかもしれません。

しかし、試験の内容と難易度を考えると、600点達成は決して容易なことではありません。特に科目Aではテクノロジ系の問題が半数以上を占め、科目Bではアルゴリズムとプログラミングが大きなウエイトを持っているため、それぞれの分野に深い理解が必要となります。

そのため、試験に臨む際には600点ではなく、より高い800点を目指すことが推奨されます。これは、試験の難易度や自身の理解度に余裕を持たせるという意味も含まれています。高い目標を設定することで、自身の学習意欲を引き上げ、より深い理解と知識の習得に向けて努力する動機付けにもなります。

さらに、800点を目指すことで、試験当日に遭遇するかもしれない不測の事態や誤答に対する影響を緩和することも可能となります。例えば、予想外の問題や理解が浅かった領域からの出題等、多少の得点損失があっても、高い目標設定により合格ラインを維持する可能性が高まります。

このように、目標を高く設定することは試験の合格だけでなく、自身の学習スキルや問題解決能力の向上、さらには自己成長にも寄与します。

基本情報技術者試験の合格点まとめ

基本情報技術者試験は、IT業界への入口となる重要な試験で、その合格基準は全体の60%以上です。

試験内容の難しさを考えると決して楽なラインではありませんが、配点には内容ごとにかなり偏りがあるので、しっかりと重点を押さえれば短期間での合格を目指すことができます。

試験の内容や配点を正しく理解して、効率の良い試験対策を進めていきましょう。


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