基本情報技術者試験は独学合格可能?科目ごとの対策のコツまで解説!
IT業界への就職や転職をお考えの方の中には基本情報技術者の資格に興味がある方も多いでしょう。 基本情報技術者の取得はIT業界でのキャリアをス…
就職や転職のため、あるいは自身のスキルアップのため、基本情報技術者の資格取得を目指される方は多いです。
一方で、一つランクの低いITパスポートと比べると一気に難易度が上がるので、実際に取得までどれくらいの勉強時間がかかるのか不安に感じる方もいらっしゃるかと思います。
そこでここでは基本情報技術者の合格までに必要な勉強時間や、より短期間で合格を目指すためのコツを紹介します。
目次
基本情報技術者の資格を取得するためには、一般的に約150時間の学習時間が必要とされています。これは日々2時間の学習を続けた場合、2ヶ月半ほどで取得できるということです。
ただし、すでにIT分野で働いているプロのエンジニアや、初級資格であるITパスポートを既に取得している方々にとっては、この時間は短縮される可能性があります。それは、それらの方々が既に一部の知識やスキルを持っているからです。
なお、基本情報技術者試験は、情報技術に関連する幅広い知識を評価するためのものであり、試験対象となる領域はプログラミングからデータベース設計、ネットワーク技術に至るまで多岐にわたります。
この試験の合格は、その人がITの基本的な知識と技術を理解し、適用する能力を有していることを証明します。このため、試験対策には広範囲な学習が必要となりますが、それが一定の経験と知識を有する人々にとっては学習時間を短縮できる一因となるのです。
基本情報技術者試験は、科目A試験と科目B試験に分かれています。
科目A試験は、テクノロジ系(約50問)、マネジメント系(約10問)、ストラテジ系(約20問)といった多岐にわたる領域から出題されます。ここでは、基礎理論からシステム戦略まで、ITの広範な分野についての理解を試されます。各領域からの出題数は確定しており、特定の問題が再出題される可能性もあるため、過去問題の対策が不可欠となります。
一方、科目B試験では、より深い理解と実践的な知識が求められます。具体的には、コンピュータシステム、情報セキュリティ、データ構造及びアルゴリズム、ソフトウェア設計、ソフトウェア開発、マネジメント、ストラテジなど、より具体的かつ専門的な領域から出題されます。特に「アルゴリズム」や「ソフトウェア開発」は重要で、高い配点が設定されているため、これらの領域への対策を重点的に行うことが勧められます。
両試験ともに、自身の理解度や弱点を把握するため、定期的な自己評価と模擬試験の受験が推奨されます。また、問題に対するアプローチや解答技術を向上させるためには、過去の試験問題の研究が有効です。全体的な準備と対策をしっかりと行うことで、試験の成功に繋がるでしょう。
すでにエンジニアとしてキャリアを積んでいる方やITパスポート資格を保有している方は、70時間ほど基本情報技術者の勉強を積めば合格ラインに達することができる可能性が高いです。
つまり、日々3時間の学習を続ければ、1ヶ月以内に資格取得を目指すことが可能ということです。
なお、基本情報技術者試験ではITの専門的な知識と技術だけでなく、組織運営やプロジェクトマネジメント、リスクマネジメントなど、ビジネスの観点からITを運用する観点からも出題されます。そのため、これらに関連する用語を覚えなければなりません。
既に実戦でプログラムを書いている方でも、こうした知識や用語を新しく覚える必要が出てくるため、全くの無勉強で合格することは難しいことを覚えておきましょう。
基本情報技術者の取得を目指すとき、戦略なしに闇雲に取り組むと無駄な勉強時間を費やすだけになりかねません。
ここではITに関する事前知識のある無しで切り分け、勉強法の大まかの方向性を見ていきましょう。
基本情報技術者の資格取得における学習戦略は、個々の背景知識と能力に大きく依存します。既にIT関連の知識や経験を持っている人は、テクノロジ系の勉強は比較的スムーズに進めることが可能で、その分問題演習に時間を割くことで試験形式に慣れると効率的です。
一方、ストラテジ系やマネジメント系の学習は、特に理系出身者にとっては少々馴染みの薄い領域かもしれません。これらの分野は、ビジネス戦略や組織運営、リスク管理といった知識を必要とします。
加えて、午後試験では読解力が重要となります。長文の問題文を理解し、その中から問題の本質を見抜き、適切な答えを導き出す能力が求められます。国語力に自信のない方は、長文読解のスキルを特に強化すべきです。
暗記が必要な分野、例えば法規制や組織理論などについては、早期に学習を開始し、定着させる時間を確保することが有効です。
初めてIT系の資格・分野に挑戦する方の場合、専門用語へのつまずきが最初の難関となります。
しかし、基本的な用語や概念をしっかり理解することで、学習の進行はスムーズになり、効率も向上します。たとえ初期の学習速度が遅くても、用語の理解が深まれば学習ペースは自然と上がるでしょう。
教材の選択も重要な要素で、初心者には通信講座も有効な選択肢となります。特に講師の解説動画は、文字だけの情報よりも直感的に理解を深める助けとなることがあります。教材の形式を多様化することで、理解のための視点を増やすことができます。
いずれにせよ、最も重要なのは基礎知識の習得です。基礎が不安定な状態で問題演習に移ると、適切な理解なく問題を解くことになり、混乱を招く可能性があります。
まずは基本的な用語と概念をしっかり理解し、その上で問題解決スキルを磨くといった手順を心がけましょう。
当然ながら試験勉強においては効率の良い勉強法と、そうではない非効率な勉強法の2つがあります。
できるだけ効率よく合格を目指すために、以下の観点を押さえて学習に臨むようにしましょう。
基本情報技術者の合格までには150時間ほどの勉強時間が必要なので、およそ2ヶ月程度の継続的な勉強が求められます。勉強を継続するためには学習スケジュールを立て、それに沿って勉強を進めることが重要です。
以下に、効果的な学習スケジュールの立て方をいくつか紹介します。
自分の生活スタイルを考慮: 勉強の時間帯を決める際は、自分が一番集中できる時間や日々の生活スケジュールを考慮しましょう。無理なスケジュールは長続きしません。
優先順位を設定: 全範囲を均等に勉強するのではなく、難易度や自身の苦手分野、頻出範囲などを優先して取り組むことで、より効果的な学習が可能です。
余裕を持ってスケジュールを立てる: スケジュールは極力余裕をもって立てましょう。予想外の事情で予定が狂った場合でも、計画を調整しやすくなります。
レビューと休息の時間を設ける: 定期的に復習を行い、知識を定着させることも重要です。また、休息時間を確保することで、長期的な学習にも耐えられます。
スケジュールを立てたら、それを厳守することが求められます。しかし、柔軟性も忘れずに、必要に応じてスケジュールを調整することも大切です。
基本情報技術者試験の学習では、理解(インプット)と活用(アウトプット)の両方をバランス良く進めることが肝心です。特に、新たな知識を得るインプットは、教科書の学習や講義動画などで、効率的かつ誤解無く進めることが理想です。
一方、アウトプットは試験形式に慣れるため、過去問題を使って問題解決の経験を積むことが重要です。特に試験の頻出範囲や出題傾向を理解し、自分の弱点を把握した上で、弱点を克服するための復習を行うことが大切です。弱点が克服できたかの目安として、「自分がその内容を他人に説明できるか」を考えてみてください。
これらのインプットとアウトプットを繰り返すサイクルが、知識を定着させるのに有効な戦略となります。
IT初心者の場合、新たな知識を理解するためのインプットが多く必要になるため、学習のバランスはインプット:アウトプット=4:6を目指すと良いでしょう。
一方、既にIT関連の知識がある方は、すでに持っている知識をどう活用するか、つまりアウトプットに重きを置くことが望ましいです。その場合、学習のバランスはインプット:アウトプット=3:7あるいは2:8が適切と言えます。
基本情報技術者の試験では、1つの知識をベースに他の事柄に応用するような問題も少なくないです。そのため、分からない部分を放置していると、それを原因として解けない問題がどんどん増えていく恐れがあります。
不明な点を見つけたら、無視するのではなく、教材を参照する、講師に質問する、関連する問題を解くなどして、その部分を完全に理解するための努力を惜しまないようにしましょう。理解が深まることで、同じ種類の問題に対する解答能力が向上し、またそれが他の問題への応用力を高める基盤にもなります。
試験勉強においては、理解の不十分な箇所を見つけたら即座に対策を立てることが、全体の学習効率を高める重要なステップとなります。
基本情報技術者試験における得点源となる重要な分野は、午前試験のテクノロジ系と、午後試験のデータ構造及びアルゴリズム、プログラミング分野です。
テクノロジ系は、コンピュータの基本構造やネットワーク、データベースなど、情報技術の核となる要素を網羅しています。これらを一通り理解しておくことが、試験の基盤を築くことにつながります。
一方、午後試験のデータ構造とアルゴリズム、プログラミングは実際のプログラミングスキルや論理的思考力を問う領域で、ここでの得点は試験成功の大きな鍵となります。データ構造とアルゴリズムでは、データの整理や効率的な処理方法を学びます。プログラミングでは、実際にソフトウェアを開発するための基本的な技術と思考法を養います。
これらの分野に対する理解が深まると、合格への大きな一歩を踏み出すことができます。しかし、これらが苦手分野である場合、合格ラインを超えるのは困難になるでしょう。したがって、これらの分野に対する苦手意識を払拭し、確実に得点できるようにするための学習計画を立てることが重要です。
基本情報技術者試験においても、他の多くの資格試験と同様に、過去問題の解答は極めて有効な学習手段です。これにより、試験の出題傾向やよく出る問題範囲を理解できます。さらに、自分自身の弱点を把握し、それを改善するための策を立てることも可能になります。
「過去問は試験直前にまとめて解く」という方もいらっしゃいますが、これはあまりおすすめしません。
できる限り早いうちから過去問に触れておき、実際の試験でどのような内容がどういったレベル感で問われるのかをしっかりと把握しておくことが、効率的な試験対策において非常に重要になります。
過去の試験問題と同じか類似の問題が出題される可能性も十分にあるため、過去問は1周だけでなく少なくとも2周はすると良いでしょう。
基本情報技術者は独学でも合格を狙うことは可能です。一方で、IT系の資格というこことで専門用語等も多く、初学者がとっつきにくさを感じやすい資格でもあります。
そのため独学でチャレンジされる場合は、一つ下のランクの資格であるITパスポートから挑戦するのも良いでしょう。
とはいえITパスポートではなかなか転職や就職で活かすのは難しいですから、できる限り早く基本情報技術者の資格を手に入れたい方は、無理に独学で勉強するよりも通信講座で効率よく学ぶことをおすすめします。
基本情報技術者試験の学習において、通信講座は非常に有用なツールとなります。通信講座の講師陣は専門的な内容を初学者にも理解しやすく伝えるプロなので、とっつきにくい専門用語もスラスラと覚えることができるはずです。
また、通信講座は自分のペースで学習できるため、忙しい日々の中でも効率的に学習を進めることが可能です。また、動画などの視覚的な教材が豊富に揃っているため、テキストだけでは理解が難しい内容も、視覚的に理解することが容易になるでしょう。
さらに、講座によっては模擬試験や過去問の解説も提供していることが多く、試験対策にも役立ちます。そのため、通信講座は初学者から経験者まで幅広い受験者にとって、効果的な学習手段となるでしょう。
基本情報技術者試験に合格するためには、一般的に約150時間の学習が必要とされます。
当然ながら、この時間は個々の前提知識、学習方法、教材選びにより変動します。適切な教材選びと効率的な学習法により、この時間を短縮することも可能です。ポイントは自分の弱点を理解し、短時間でも毎日確実に学習することです。
通信講座等も活用しながら効率的な学習法を見つけ、皆様ば短期間での合格を果たすことを願っています。